鹿島・霞ヶ浦環境研修
2019年9月10、11日、学生9名、教員2名によって、茨城県鹿嶋市鹿島神宮、霞ヶ浦湖岸(鉾田市、土浦市)を巡る環境研修を実施しました。大型台風が東関東を直撃した翌日の出発となり、訪問先や宿泊施設の電源復旧が危惧される状況でしたが、ほぼ予定通りの研修のプログラムを実施でき、収穫の多い旅行となりました。
鹿嶋市では、神武天皇元年(紀元前660年)創建とも言われる、日本最古の神社の一つである鹿島神宮を訪問しました。参道に構える地元の私営博物館(ココシカ)において、館長の大川様から、鹿島神宮の歴史と成り立ちに関する解説を聞き(写真1)、植物研究家の中野氏からは関東で最大の自然林保護地ともなっている社務林(鎮守の森)の植生について解説してもらいました(写真2)。さらに、鹿島神宮広報課の佐藤様からさらに詳細な解説をしていただき、鳥居や本殿の歴史と構造を説明してもらいました(写真3、4)。残念ながら、台風によって社務林の何本かの大樹がなぎ倒され、大枝が落下する危険もあったので、本殿から奥の社務林の見学はできませんでした。我々は、杉などの枝が散乱する本殿側面の清掃作業を申し出、実行しました(写真5、6)。
夜は宿泊施設の会議室で、自然の保全と宗教的倫理、特に一神教でない自然崇拝を起源とする神道の価値観の関係などを議論しました。
翌11日は、霞ヶ浦(北浦)湖岸のアサザ保護地を訪れ、絶滅危惧種のアサザ(水生植物)の保護を目的とした再生地を見学するとともに、水質測定の実習を行いました(写真7)。アサザは昨年、霞ヶ浦から自然絶滅したと報告されていますが、この保護区画では比較的大きな群落が保全され、訪問した日にはちょうど可憐な黄色い花を咲かせていました。
さらに、霞ヶ浦(西浦)湖岸にある霞ヶ浦環境研究センターを訪問しました。そこで、研究センターと国土交通省霞ヶ浦河川事務所の専門家から霞ヶ浦の歴史、水質の変遷、改善に向けた取り組み等の解説を聴き、自然再生地の現場を見学しました。さらに、再生区画の1つの先端(湖岸側)に入り、水質測定の実習を行いました(写真8)。